9月になりました。今回はワイン製造のお話です。
ワイン製造を簡単に言ってしまえば、「葡萄ジュースを発酵させてアルコール飲料にする」です(簡単すぎる説明ですね)。その過程で白ワインなら黒葡萄の皮を取り除く、ロゼならマセラシオン(果皮や種を漬け込む作業)、樽で熟成させるなどそれぞれワインの種類によって工程が増えていきます。
この時期、マレンマのワイナリーはどこも葡萄収穫(ヴェンデミアvendemmia)で大忙しです。

もちろん葡萄は農作物ですから、毎年天候によってヴェンデミアの時期は変わります。また品種によっても違いますので、収穫期の決定はワイナリーの腕の見せ所と言ったところでしょうか?
今年の出来はどんなでしょう?
この葡萄の収穫、まだまだ暑さの厳しい中、中腰での重労働でなかなかきつそうです。
ギックリ腰リピーターの私は想像しただけで腰が痛くなります。
大きな農園の場合は機械で収穫するそうですが、私たちトスカーナクラブが扱っているVilla PatriziaとCasavycは一房一房丁寧に手作業で収穫します。アルコール発酵も葡萄自体についている酵母を利用しています。

一年で一番忙しい時期なので、ワイナリー訪問は気がひけるのですが、それでも行くとどちらのワイナリーも快く迎えてくれます。
そしてこの時期のワイナリーの見学は見応えがあり私は一番好きです。
その中でも私のお気に入りは、発酵の音。これは数日の工程ですので本当に期間限定です。耳を澄ますと大きなタンクの中からポコポコと小さな音がします。
また発酵途中のジュース(まだワインとは呼べない代物)、手作りでパンを焼く方なら想像できると思いますが、ほんのり酵母の香りがします(発酵臭)。
ワイナリー見学は大手のワイナリーですと見学時間やコースが決まっていますが、小さなワイナリーですと事前に電話して日程が合えば受け入れてくれることが多いようです(若い人がいれば英語での見学もできます)。
ただどこのワイナリーも人里離れたところにありますので、車と下戸の運転者さんが必要です。
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